川崎整体健療院の「2011年レポート 耳鳴りの原因となる疾患」です。

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2011年レポート 耳鳴りの原因となる疾患

2011年 角道レポート 耳鳴り No.2

耳鳴りがするということで、耳鼻科等にかかったとき、「歳だからしょうがないね」なんてのはもってのほかだが、メニエール、突発性難聴、耳管開放症、耳管狭窄症などの診断がくだされることも多い。
しかし、これらは、なぜ耳鳴りが起きているのかわからないままに、出ている症状をみて診断した結果の病名であることが多い。

などなど。

病名がついたことで安心するケースもあるかもしれないが、それでは根本的な解決にはならない。
そこをさらに踏み込んでどこに原因があるのか突き詰めていくことが必要になる。
耳鳴りの原因となるものは以下のようなものである。

  1. 心因性難聴
    ストレス刺激の増大によって自律神経に乱れを生じることにより起こる。うつなどもこれに相当する。不必要な音などを排除して、必要な音だけを拾い上げるという分別、調節作業ができなくなることによって発生する。

  2. 脳腫瘍
    大脳側頭葉にある聴覚野に腫瘍ができたときに、耳鳴り、難聴が発生する。

  3. 脳梗塞
    大脳側頭葉にある聴覚野、脳幹、小脳などにおいて、血栓が発生することで、血流障害がおき、めまい、耳鳴り、難聴が発生する。

  4. 上咽頭ガン
    咽頭の奥の上部にガンが発生し、それが広がっていくことで、内耳神経まで浸潤し、滲出性中耳炎、めまい、耳鳴り、難聴を発生する。

  5. 薬剤性難聴
    薬による内耳神経障害で、両側にあらわれることが多い。結核の治療薬「硫酸ストレプトマイシン」「硫酸カナマイシン」が代表的。

  6. 聴神経腫瘍
    内耳神経に発生する良性の腫瘍で、片側に難聴、耳鳴りを発生し、めまいや顔面神経麻痺にまで発展することもある。

  7. 蝸牛神経炎
    帯状疱疹ウィルスなどによって、蝸牛神経に炎症が起きることで難聴、耳鳴りを発生する。突発性難聴の原因である可能性もある。

  8. 副鼻腔炎
    副鼻腔のなかでも、耳の後部にある乳突洞や蝶形骨洞に、カゼなどが原因で炎症が起きることによって発生する。乳突洞を通る内耳神経を障害すると、耳鳴りや難聴、めまいを引き起こし、蝶形骨洞側の耳管に影響すると耳管狭窄から、耳閉感、難聴を引き起こす。

  9. 動脈瘤
    椎骨動脈などに動脈瘤が生じることによって、内耳神経を圧迫し、耳鳴り、難聴、めまいなどを引き起こすことがある。

  10. 動脈硬化
    椎骨動脈や脳底動脈などの血管が、動脈硬化によって血流障害を引き起こすことで、内耳神経の機能低下から耳鳴り、難聴、めまい等を生じる。脳底動脈の動脈硬化が進行すると、脳底動脈自体が太くなり、蛇行してしまう巨大脳底動脈症を発症する。血管自体の神経圧迫から顔面神経痛にまで至ることもある。

  11. ヘルニア
    頸椎椎間板に起こるヘルニア(髄核の突出)によって椎骨動脈が圧迫され、血流障害からめまい、耳鳴り、難聴を引き起こす。

こうした疾患によっても耳鳴りは起こり、なかには重篤な病気が隠れていて、迅速な対応が必要とされることもある。
しかし、上述のような疾患にはあてはまらず、はっきりとした原因が特定されていない耳鳴りが発生していることも多い。
こうした場合、原因がよく分からないままに薬を処方したり、治療をしたり、アドバイスをしたりする。
たまたまよくなることもあるが、その多くは改善せずに患者の悩みである耳鳴りは一向になくならない。
原因が掴めずに、適切な処置ができないために耳鳴りが良くならない、その結果である。
だが、はたして原因はほんとうに分からないのだろうか。

耳鳴りの真の原因

これまでみてきたように、音が伝わるということを考えたとき、そこにはいくつかの器官が介在する。
それらの器官を経て伝達されたものが、最終的にはフィルターにかけられて、必要な音が認識されるようになる。
この過程のなかで、なんらかのトラブルがあったときに耳鳴りは発生するのだが、それは鼓膜が破れるなどの破壊的障害のときには起こらない。
なぜなら音の伝達自体がなされないからである。
このような場合には音は聞こえないのである。

では耳鳴りが起こる場合のトラブルとはどんなトラブルなのか。
結論からいうと、感音系のトラブルが耳鳴りを引き起こすのである。
センサーである蝸牛神経や、脳幹、大脳などに障害が起きたとき、正しい音の伝達がなされないために、耳鳴りという事態が発生する。

先に述べたような耳鳴りの原因となる疾患をみてもそのことははっきりと表れている。
心因性の場合はストレスによる脳の機能低下であり、腫瘍であれば物理的に障害する。
どんな形であれ、血流障害を起こせば、栄養不足によって蝸牛神経はうまく機能しなくなるし、ウィルスや細菌、その他の原因によって、神経自体が侵害されてもそれは同様である。

つまるところ、耳鳴りの原因としてとらえられている疾患はすべて、これらのパターンのどれかに分類されるのであり、脳か神経の障害あるいは機能低下によるものである。
では疾患もなく、原因がはっきりしていない耳鳴りはなぜ起こるのだろうか。

回路が破壊されれば、耳鳴りは起こらずに聞こえないだけである。
余計な音が聞こえてきたり、雑音を拾ったりするから、耳鳴りは起きてしまう。
回路に対する物理的な侵害や、何らかの形によって引き起こされる機能の低下が耳鳴りを発生させる。
そう考えてみると、背後に疾患が隠れていなくても機能低下が生じれば、耳鳴りは起こるのではないだろうか。
ストレスによってホルモンバランスが崩れ、脳の機能が低下すると耳鳴りは起こる。
動脈硬化や、ヘルニアなどの血管圧迫による血流障害からも耳鳴りは起こる。
そうであれば、疾患には分類されなくとも、筋肉の緊張、硬化、骨格の歪み、血管の細化などによって血流が阻害されれば、蝸牛神経の機能低下から、耳鳴りは起こる可能性がある。

  1. 脳の障害
    脳の腫瘍など

  2. 脳の機能低下
    過剰ストレス、自律神経失調症、うつ病、脳梗塞など

  3. 神経の障害
    がん、腫瘍、帯状疱疹ウィルスや細菌などによる炎症、薬の副作用による炎症など

  4. 神経機能低下
    動脈瘤、動脈硬化、頸椎椎間板ヘルニア、老化、猫背等の不良な姿勢からくる血流障害が原因の機能低下など

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、40歳以下の有訴者率が1%なのに対して、65歳以上のそれは7%にものぼる。 これは、老化にともなって疾病の罹患率が増えていることに加えて、血管の細化による血流障害が蝸牛神経機能の低下を引き起こしているからであると考えられる。

また、統計こそ取れていないが、さしたる疾患も抱えておらず、自律神経系の乱れもそうひどくはないにもかかわらず、耳鳴りを訴えている患者は猫背である確率が高いようである。 これは姿勢による筋緊張や頸部のゆがみからくる血行不良によって、蝸牛神経の機能低下を招いているからではないだろうか。

「耳鳴りは治りにくい」、そう言われることが多い。
もちろん、治すべき時に治さないと治りにくくなることもあるし、自律神経の乱れの改善に時間がかかるということもあるだろう。
だが、原因があるから結果として耳鳴りになっているのであり、その原因を読み違えていては正しく対処することはできない。
正しい対処が行われなければ症状の改善を望むべくもない。
ウィルスによる炎症や、腫瘍の圧迫が原因なのに自律神経系だけを調えてもそれだけでは効果はあがらないだろうし、ストレスが原因なのに抗菌薬や抗ウィルス薬を飲んでも、プラシーボ以外の効果は期待できない。
耳鳴りに苦しんでいる人のために、今よりもさらに正確に診立てて対処したいものだ。

耳鳴りと自律神経失調症・音の伝わる場所など


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